《MUMEI》
〈第十二話〉大好きな…抱き枕視点
…なんで、こんなに 好きに なっちゃったんだろう〜。


あの日、僕を 一目見るなり、君は…抱き締めてくれて、家に お持ち帰り。


あれから毎日、君と抱き合って眠る日々。


ところが、最近〜そんな僕の ポジションを狙う奴が、現れた。


奴は、通販カタログとかに、プロマイド付きで、出てる派手な奴。

謳い文句は〜身体、元気。マイナスイオンの力、低反発抱き枕。もう、あなたなしじゃいられない!〜ムカッ!

君は、それを毎日、眺めてる…


僕は、もしかして…お払い箱〜もとい…お払い枕!?


そんなある日〜通販の箱が、届いた。


ギクッ…いよいよ、僕は…君は 僕を持ち上げた。


ああ〜ゴミ箱行きかあ…、ん?なんだ?


僕は 服を着せられた。君は、笑った。


「よし、サイズもぴったり!いいじゃん、新しい 抱き枕カバー。やっぱ…あなたが一番ね。」


ああ…僕は 世界一の幸せ物です。



おしまい

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