《MUMEI》

「クスッ、バカだね。そんなこと、気にしてたの?」

優しく笑う、おにーちゃん。


「気になんてしてないよ。ただ、頭に来ただけ。」


「ま、いいよ。早く帰ろ、ママが心配するよ。」


「一人で帰る!」
走っていく いっくん。


「いっくん。」
後を、追おうとした、おにーちゃんに、声をかける、ディビー。


「おい、大学生!」


「あ?」


「あなた、いっくんの事、どう思ってんの?」


「ありゃあ、おいらの妹だ。」


「僕は真剣に、彼女を愛してるよ。」


「凄い事言うのね、おたく…」

ちょっと引く、おにーちゃん(笑)


「あなただって、そう思ってるんでしょ!?」


…13年…隣で見守ってきた、大切な妹だ。


「僕が初めて、いっくんを見たのは、先週の日曜日のグラウンドだ。だけど、時間なんて問題じゃない。」


「いいか!覚えとけよ、いっくんを、大切に思ってんなら、絶対 粗末に扱うなよ!いっくんを、泣かしたら 命がないと思え!!

まあ、あの子は そう簡単に、泣かんだろ〜けど(笑)」


「ああ、わかった。」手を振り、ディビーと別れる、おにーちゃん。

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