《MUMEI》

「いいか?

言うんだ、

『自分には他に好きな相手が出来た、あんたとは二度と寝ない。』……だ、ほら、言いな。」

携帯を差し出すのとは反対の耳元に告げる。
是清の腰は後転のような姿で持ち上がり深々と挿入された。



『是清?』

声が電話から漏れた。


「  ……ン 俺、 他に……好きな人がァ……きたからッ   徳和とは も…………寝な……ィ

    ふ、 あ あァ」

軋ませながらちゃんと言えているか近くで聞き取る。

尋常でない色気の呼吸と体温が是清を取り巻く。

俺の動作に我慢できず是清の中も外もめちゃめちゃになってしまっていた。


『……徳和?』

相手も何か感じ取ったようだ。




「そういうことだから。是清にはお前が付け込む隙なんか無いからな!」

それだけ告げ、携帯の電源を切った。

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