《MUMEI》 私に任せて「あ、サッカーで、こいつ カイルと、ぶつかって…鼻血出たから。」 「そう、カイルくんとね…。戸田くんだったね、君は。」 「は、はひ…」 鼻が血で、詰まってるヒデ。 「ちょっと、ベッドで横になっててね。凛くん〜ちょっと。」 煌さんが 廊下に手招きする。 「で、何があったんですか?」 「実は…ヒデとカイルが、ぶつかった時、唇が触れて、カイルが何故かちっこくなって…俺、慌ててキスしたんだけど、ヒデに見られて…。」 俺は、チラリと 煌さんを見た。 煌さんは…ちょっと考え込んでいたが、俺の頭を 撫でた。 「分かりました、カイル様を 守ってくれて、ありがとうございます。」 そう言って、頭を下げた。 「あ、いや…俺は…。」 「後は、私に任せて下さいね。悪いようには、しませんから。」 そう言い残すと、保健室に 入っていった。 俺は 何となく、ヒデが心配になった。 前へ |次へ |
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