《MUMEI》

「あれか…。」


勳羅はぼそりと呟き、疲れたような顔をし視線を歩道に戻した。


車はどんどん進み、門を越え協会の敷地内に入った。


協会の敷地内は屋根なし、屋根有りの車が綺麗に並び緑に溢れていた。


車は建物の入り口の前に止まった。


入り口前には、すでに人が待っており勳羅が座っている方の扉を開けた。


「お疲れ様です沢折勳羅様。」


30代ぐらいの眼鏡をかけた男がお辞儀しながら言った。

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