《MUMEI》

勳羅は車から降り、自ら車のドアを閉めた。


勳羅を乗せてきた車は走り去ってしまった。


「案内して下さい。」


「畏まりました。」


男は少し下がった眼鏡を上げてから言った。


勳羅と眼鏡をかけた男は、入り口ドアがある所まで階段を登っていった。


入り口ドアの前には、背中に大きめの長い銃を背負った女の人が立っていた。


女の人はドアを開け、勳羅に対して深くお辞儀をした。

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