《MUMEI》
自傷
手を差し伸べたアナタに
傷ついた自分の指先を伸ばして
爪を剥いだ

流れる血を胸に抱き
驚いたあなたの頬に口付ける
紅いスジが流れ出して

声も出さずに喉を掻き毟った
痛みに喘ぐ事も忘れてしまって

息つく事さえ出来ない私に
世界は冷たく雨を降りつける
寒さに震える血に塗れた指を
へし折って、千切って放り投げてた

苦しみ喘いで 泣き出すココロ
降りゆく雫に熱を奪われて
怖がる私にアナタ言葉

大丈夫、すぐに逝ける、だから待っていて
君を殺す僕の手を愛して欲しい

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫