《MUMEI》 決勝まで2時間「遅いよヤマ〜。」 「悪い!!でも深夜バスで帰ってきてこっちついたのさっきだよ? 一睡もしてないのに駅から走って来た俺って偉くね?」 「マジすか!?一睡も!?」 「ん、あ、うん!!当たり前だろ?」 ホントはバスの中で少し寝ていたヤマト。 「ヤマト〜。15点取れなかったな。」 ニヤつきながら言う恭介。 「いや!!でも今の試合は俺が頑張ったから…」 「え!? 僕のおかげでしょ?」 「それを言うなら自分が…」 「バカ!!お前ら俺が止めたから…」 はしゃぐ4人を、 海南クラブの選手たちは笑いながら見ていた。 「大した奴らだよ…」 「全く… 正直あいつらがいなかったら厳しかったもんな。」 「厳しいって言うか… 負けてただろ。」 「まぁ…な。」 海南クラブの選手たちも、4人を認めていた。 「僕の速攻が!!」 「俺が止めなきゃできなかっただろ〜よ!!」 「俺が45抑えたからだろ!!」 「いや、でもその45から自分がボール取ったわけですし!!」 「ヤマト!!」 ヒートアップした4人が静かになる。 声をかけた海南の選手は、 退場したエース。 「…なんすか?」 「俺は出れそうにない。 決勝任せたぞ。」 「…うっす。」 「まぁヤマは後半しか出てないから体力余ってるしね。」 「だな。」 「ですね。」 「いや!!でも俺は一睡もしないでここに…!!」 「僕だって昨日寝たの遅かったし!!」 「それを言うなら俺なんて3時間しか寝てないぞ!!」 「自分は昨日の試合の後バイトもあってそれからですよ!!」 (また始まった…) 決勝まで残り2時間。 彼らに緊張はない。 前へ |次へ |
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