《MUMEI》

「クロ〜!!恭介〜!!」


観客席で盛り上がるクロたちに、


「あれ?皆!!今日も来てたの!?」


クラスメートが近寄る。


「凄かったじゃ〜ん!!」


「だしょ?


まぁヨユーってやつ?」


「あはは!!そうでもなかったように見えたけどね!!」


「いやマジマジ!!


僕にマッチアップしてたやつとかすぐ攻略法わかったもん!!4秒くらいで!!」


「嘘つけ!!」


ヤマトと恭介が同時に突っ込みを入れる。


「ヤマ最初いなかったじゃん!?」


「4秒なら嘘ってわかるだろ!!」


「あ、いたいた!!クロさん!!翔太さん!!」


さらにクロたちに近寄って来たのは、


「お〜!!お前らも来てたの!?」


赤高の選手たちだった。


「決勝すね!!」


「だね〜!!燃えるわ。」


「翔太さん相変わらず凄いプレーしますね!!」


「だろ〜?椎名、俺を目指せよ。」


「はい!!」


「何?クロがコーチしてるっていうチームの子たち?」


「そうそう。あ、僕のクラスメートね。」


「ちわ〜っす。」


盛り上がる海南クラブ。


その輪に入れない者がいた。


「クロ。俺ちょっとトイレ。」


「あ、うん。」


席を立つヤマト。


トイレに行きたかったわけじゃない。


ヤマトが行ったのは、


「…ヤマトくん。」


藤田美紀のところだった。

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