《MUMEI》

「……是清君とはココロとカラダについてきちんと話し合う必要があるみたいだなあ?」

説明して貰おうか。

「それで、穏やかに捨てるんだ……」

なんだとコラ……

「捨ててないだろ。いいから手を離せ」

手を振り放すと余計ややこしい顔をする。

「やっぱ二郎ちゃんがいいんだ?」


「…………あのさあ、俺はお前にとってセフレの一人なの?」

「違う、愛してるよ。」

是清は躊躇わずに言い放つ。

「だろ?俺にもそういう感情あるって思わない?」

手間のかかる奴だ。
俺の気持ちが伝わり切るまで暫く固まっている。


「……わかりにくい。

俺のこと、好きとも愛してるとも言ってないじゃないか!
じゃあ俺は一人で有りもしない別れの感傷に浸っていたんだ?!
何故、早く言わないんだ!俺はこんなにも愛してるのに、乙矢も一欠けらでも言葉に表してみろよスッキリするぞ?この鉄仮面!!」

なんか、怒り出したし。



「……ああ、殺したいくらい好きだよ。」

鉄仮面はないだろ。


「……二郎ちゃんより?」

恐る恐る聞いてきた。

「徳和よりな?」

口に出せばなんて事無い。

ただ、真っ裸男二人でするには滑稽過ぎた会話だった。

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