《MUMEI》
カレーライス
「合宿と言えば、カレーでしょ!」


(普通、そうなのか?)


夕飯担当の祐先輩の言葉に、俺は首を傾げた。


「カレー、昔、蝶子とイチャイチャ旅行に行った時のシーフードカレー、おいしかったなぁ…」


(び、びっくりした…)


いつの間にか俺の後ろには俊彦さんが並んでいた。


「俊彦さん!俺、かわりに並びますから座ってて下さい!」


…高山はすっかり俊彦さんに頭が上がらなくなっていた。


「いや。お前は好きな子の側にいろ。蝶子には適わないけど、あんな可愛い子、一人にしたら危ないぞ」


俊彦さんの言う通り、高山がこっちに来た途端、『和馬』役の部員が希先輩に近付いていった。


「あ、はい!」


高山は慌てて戻っていった。


「優しいんですね」


「片想いの奴にはね。俺も昔蝶子に片想いだったから」


(こんなにかっこいいのに?)


俺は、ますます蝶子さんがどんな人か気になったが…

とりあえず


「いただきま〜す!」


尋常じゃない量のマヨネーズをかけて、カレーライスを頬張る俊彦さんがものすごく気になった。


「たまにいるよなぁ…」


祐先輩は諦めているようでそれ以上何も言わなかった。

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