《MUMEI》
裸の付き合い
夕食後。


俺達は男女分かれて部屋に戻り、布団を敷いた。


「さ〜、祐也。飯の後は、風呂だぞ!」


布団に座っている俺の肩を守が抱いてきた。


「そうだぞ、裸の付き合いで、友情を深めよう!」


拓磨が胸を張って言った。

「いいねぇ、裸の付き合い」


祐先輩がニヤニヤしながら話しかけてきた。


どう考えても、祐先輩の裸の付き合いは、普通と違う気がした。


「男子人数少ないし、俊彦さんも一緒に入りましょうよ」


「いいけど、俺…デカイよ、色々」


高山の言葉に、俊彦さんはニヤリと笑った。


下ネタ禁止と言った相田先生も、女子もここにはいない。


いるのは、思春期真っ只中の男子高校生だけだ。


「それは、是非拝見したいなあ」


祐先輩が微笑んだ。


「なあなあ、やっぱりキングはアソコもキングなわけ?」


「し、知るかよ!」


真司に話しかけられ、高山は真っ赤になっていた。


「さぁ、皆行くぞ!」


俊彦さんが言うと、皆が立ち上がった。


「ん? えっと…『孝太』役の、君は、行かないの?」

唯一座ったままの俺に俊彦さんが近付いた。


俊彦さんは俺の名前をまだ覚えていなかった。

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