《MUMEI》 普通じゃない衣装「まぁまぁ、下着は着てていいから、ね?」 「Tシャツも着てていいなら…」 俺は一応その下にタンクトップも着ていたが、背中の刺青が透けて見えるのではないかと心配だった。 「…仕方ないわね」 津田さんは、ものすごく残念そうに言った。 「じゃあ、上から」 俺は、津田さんが渡したYシャツを着た。 (何か、やたらヒラヒラ付いてるな) それから、ジャケットに袖を通した。 (秋物だからさすがに暑いな…) 「はい、下」 「何で短パン!?」 「そんなに短くないでしょ。祐也なら、大丈夫」 (大丈夫って…) どう見ても、膝上な丈のズボンに俺は戸惑った。 「手伝いましょうか?」 「い、いいです!」 腰に手を伸ばす津田さんを振りきって、俺はズボンを脱いだ。 キャー! 周りの女子が騒いだ。 ちゃんと目を隠していたのは希先輩だけだった。 「はきましたよ!」 「じゃあ、仕上げにこれ!」 「はいはい!」 俺は半分ヤケになって用意されたハイソックスをはいた。 それから、前髪を分けてヘアピンで止めた。 「これでいいんですよね!?」 前へ |次へ |
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