《MUMEI》
ホモ話
「怒んなよ?」


「何だよ」


守は、恐る恐る理由を言った。


「だってお前って、足とか女みたいで意外と華奢だし、…受けみたいで」


「馬鹿か、お前は。悪いな、祐也。こいつ、家に来た時に姉ちゃんの買ってるホモ漫画見ちゃってさ」


真司は守の頭を軽く叩いた。


「今ホモ漫画流行ってんの?」


拓磨は興味津々だった。


「津田さんに相手にされないからって男に走んなよ〜」


『和馬』役の部員が言うと、他の部員達が笑い出した。


「男同士ってどうやるわけ?」

「後ろ使うんだろ?」

「痛くね〜?」

「マジ、キモイ」

「普通じゃないよね」


(そうだ)


俺と、旦那様は男同士。


普通じゃない。


(でも…)


『祐也、愛してるよ』


俺は、今でも…


「こら、ホモで盛り上がるのもいいけど、そろそろ花火始めるらしいぞ!」


そう言って部屋に入ってきたのは、台所で女子と夕飯の片付けをしていた祐先輩だった。


「あと、祐也は話があるから残れよ」


(ヤバい)


俺は、祐先輩が何を話すのか予想がついていた。


俺は、合宿中の食事をほとんど残してしまっていた。

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