《MUMEI》

「ナイスだクロ!!」


「イエ!!」





「あ〜、今のはデカいな…」


「他人事みたいに言うなよ。あんま舐めてかかんなよ。」


「舐めてないよ。


ど〜してこうウチは出だし遅いかなぁ〜。」


「…行くぞ。」


3点差がついた。


本来3点差がつけば、


『行ける。』


そう思ってしまう物だが、


海南クラブの選手たちはそうは思わなかった。


その理由は、


『相手が聖龍クラブ。』


それだけで十分だった。


実際今のプレーで見せた右サイドのパス。


あんなプレーを見せるチームが弱いわけがない。


クロたちに緊張はなかった。


同じくらい、


油断もなかった。


「1本行こ〜。」


ボールは聖龍。

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