《MUMEI》

「次クロスで。」


翔太はそう右45へ言うと、


ボールをエース45ヤマトへ。


ヤマトからクロ。


クロからヤマト。


ヤマトから翔太へとボールが渡る。


クロスの為1対1を仕掛ける翔太。


走る右45。


が、


既に翔太はボールを持っていなかった。


フェイクの為に腕を振った翔太は、


そのまま一連の流れのように背面パス。


ディフェンスとディフェンスの合間へとボールが行く。


パスの先にいたのは、


「ナイスパス!!」


ポスト不和。


シュートへ。


「ナイッシュー!!」


4対1。


「…凄いセンターがいるね。」


「リスタート!!」


「あぁ、はいはい。」


ディフェンスに戻る海南クラブ。


「ヤマトさん?」


翔太がヤマトへ話しかける。


「何?」


「1点は1点ですよ。」


満面の笑みで言う翔太。


(…確かに。)


どんなテクニックを使っても、


1点は1点。


ハンドボールにバスケのような3点シュートはないのだ。


「45オッケー!!」


前半開始4分。


リードは海南。

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