《MUMEI》
存在意義
「詰めてきましたね…。」


「海南もレベル高いんだけどな…。」


「ワンチャンス逃しただけであれだもんな…。」


「お前ら解説なんてどうでもいいんだよ!!」


「え?」


「聖龍の実力なんて俺たちより実際に戦ってるクロさんたちの方がわかってんだよ!!」


「…」


「解説なんてどうでもいいから応援するぞ!!」


観客席から試合を見る赤高の選手たち。


その会話を、


クロと恭介のクラスメートたちは聞いていた。


(これがクロがハンドボール教えてる子たちか…


いい子たちじゃん…)


「クロさ〜ん!!」


「ヤマトさん頑張れ〜!!」


「翔太さ〜ん!!」


「恭介さん頑張っす!!」


「クロ〜!!」





「ナイッシュー!!」


試合は進んだ。


スコアは、


7対9。


前半残り7分。


海南クラブは、


2点負けていた。

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