《MUMEI》

沖縄に到着…。


『暑っち〜。早くアイツに会って話しないと、熱射病になっちまう…。』


俺は近くのコンビニで道を聞くことにした…。


『あの〜この辺にダンススクールがあると思うんだけど…。』


『はい。ありますよ!
そこにいる“緑川くん”って人が超カッコよくて大人気なんですよ!そこ!』


『…あっどうも。』


“チッ!まじかよ…。
ダンススクールにいるってだけで厄介だったのに男前だなんて…。困ったな。”


『よっ!緑川。』


『おお!赤石じゃん。』


『なぁ…緑川…。』


俺は、またしても10万円を取り出した。


『…何の金だ?』


不思議そうに緑川が尋ねる。


『ん〜。今回は俺も分かんねぇ…でも、とりあえずこの金で“地味”になってくんねぇ?』


『…地味?』


『そう。緑川が人気者じゃ俺の夢が叶わないんだ!
1ヶ月後には、地味っていうかダサくなってくれ!』


『…何の為に?』


『もちろん俺の夢の為。』


『……ふ〜ん。』


緑川は、意外にもあっさりと承諾してくれた。


“やっぱチャラい奴は、深く考えないから話が早くていいや!!”


幼稚園の頃から、クラス1の人気者だった緑川は一番厄介だったが、なんとかうまくいきそうだ…良かった。


そして、俺は最後の人物に会うべく大阪に向かった…。

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