《MUMEI》

「氷室様ぁ、僕達の番ですね……」

歩いているだけで乱戦も終わっていたので志雄君との組み手が初めての戦いになる。

「タマ、黙ってろ」

「――――ハイ!」

下からの氷室様の威圧が恐すぎる。
気に障るようなことをすれば振り落とされそうだ。




「明石珠緒、氷室様の前で負かして僕が嬲られてみせる!」

志雄君は僕に向かって叫ぶ。

「な、なぶ……?」

初めて聞いた単語だ。

「タマにいつも俺がしているようなものだ。」

成る程、僕と友情を深める為に氷室様が行うコミュニケーション……それが「なぶる」なのか……!


「僕だって、負けない!氷室様に『なぶる』をされるのは僕だから!」

氷室様は僕の初めての親友なんだ、僕と氷室様を引き離すというのなら戦う覚悟だ!

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