《MUMEI》

二人が404号室に入って行く姿を見届け、私はそれからどうするべきか、戸惑っていた。
こんな時、携帯電話があれば、誰か助けを呼べるのに・・・

この間にも、成原さんが危険な目にあっているかもしれない・・・

しばらく考えていると、肩をポンっと叩かれた。


「うちの中学じゃん。」

私はビクリとなり、振り返った。
・・・蓮見って人だった。
私を上から下までなめ回すように見ている。

「俺は好みじゃないけど、ロリコン好きなおっさんには、たまんねー顔だな。」
私は眉を潜めた。

「私は、そんなつもりじゃなくて・・・。」

蓮見先輩は私がそういう事に興味があると、勘違いしているようだ。

「一回、五万なんて、いいよなぁ。中坊のうちだけだよ。高校生だと二、三万が限度だし・・・」

私の声が届いていないのか、ペラペラと話しを続けている。

「とりあえず・・・事務所で話を聞こうか?」

蓮見先輩はにやりと笑い、私の腕を掴んだ。404号室まで引っ張られるように、歩かされる。
恐怖で逆らうことができず、それに従うしかなかった・・・。

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