《MUMEI》

恭介がシュートを止めたが、


速攻は出なかった。


いや…


出せなかった。


「1本行きましょ〜!!」


セットからの展開。


が、


相変わらずディフェンスはヤマトにマンツーで付く。


「もうさっきみたいな奇策は通用しないよ?」


ディフェンスが挑発する。


その言葉通り…


攻め手がなかった。


ヤマトが抑えられた海南が取った行動は、


ポストと右45のクロスからのロングシュート。


「バシッ!!」


これが止められる。


「速攻!!」


クロも戻るが、


追い付けない。


「ナイッシュー!!」


カウンターをくらう。


14対13。


再びボールは海南。


「大丈夫大丈夫!!


取り返しましょう!!」


翔太は、


明るくそう言ったが、


どうするべきか?


わからない。


クロとヤマトの存在を大きく感じる。


そしてヤマトも、


ディフェンスを降りきれない自分に責任を感じる。


後半12分…


1点差などすぐに返される…


貯金とは言えない…


リードしているとはいえ…


状況は最悪だった…


そして誰よりも責任を感じていたのは、


もちろんクロ…

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