《MUMEI》

大阪に到着…


実はここが一番の山場だ…。俺の夢の為に“一人の人生”を変えてもらうんだからな…。


俺は、今回
30万円を用意して最後の人物に会いに行った。


『赤石くん〜
こっちこっち〜!』


『お〜桃井…じゃなくて
白木…だったなぁ〜。』


この女も幼稚園の同級生。
名字は桃井。
…のはずだった。
去年、結婚して今は“白木”になってしまっている。

“は〜何とかしないと。”


『なぁ。白木
…お前に頼みがあるんだ。俺の夢の為に“離婚”してくれないか?
…それが無理なら旦那をお婿さんにして名字を“桃井”に戻してほしいんだ!』


『…何言ってんの?』


『頼むっ!
あとはお前だけなんだ!
1ヶ月後、また再婚するなりしてくれて構わないからさ…一生のお願いだ。』


俺はそう言って、30万円を白木に渡した。


『…うふふ。
赤石くん。面白いね!
…よく分からないけど、私に出来ることなら協力するよ。任せてっ。』


『本当か?…本当に
…離婚してくれるのか?』


『…名字が桃井ならいいんでしょ?』


『…あぁ。』


『それなら大丈夫っ。
私、先月離婚したの。』


『…離婚!?』


『そう。だから今は、
私“桃井”だよ〜!』


“何だよ…良かった。”


『じゃ〜これ。』


俺は桃井に10万円を渡した。一応、俺の夢を叶えてくれる協力費ってことで…。


これで全て揃った!!
あとは1ヶ月後…
みんなに集合をかけるだけだ!!

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