《MUMEI》

(5分で…


2点…)


(無理じゃない…)


(でも…、


流れが悪い…。)


ヤマト、翔太、恭介。


試合が始まる前に強気だった彼らの頭に…


『負け』


の2文字が浮かんだ。


(やっと調子出てきたな…


…チームの特色がスロースターターとはいえ、


後半ラスト数分でやっと逆転かよ…


久々だな…


こんな追い詰められたのは…)


聖龍クラブは、


このままの流れで勝ちは決まったと思っていた。


『負け』


の2文字が頭を過る海南クラブ。


『勝ち』


の2文字が頭を過る聖龍クラブ。


会場も思い始めていた…


『海南はダメかもしれない…


きっと聖龍の勝ちだ…』


嫌なムードの海南クラブ。


もはや声もない…


そんな中クロが…


「だぁ〜!!やべ〜!!」


静かな体育館に響き渡るような声で叫ぶ。


(ヤバいのはわかってるよ…)


(この流れじゃ…)


(ヤバいよな…)


「こっから勝ったら女の子にモテモテだぜ〜!!」


クロの言葉は意外な物だった。


「…ぷ」


「くはは!!」


「もうモテてるっつの!!」


海南クラブに、


笑顔が戻る。


会場も…


「クロさんらしいといえば…」


「らしいかも!!」





「クロさん負けんなー!!」





「さ〜て…」


「じゃあモテに行きますか…!!」


試合時間残り5分。


15対17。


海南クラブ。


ここから…


最後の追撃が始まる…。

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