《MUMEI》
面接
カフェのバイトの面接に出掛けた。

あの写真を貼った履歴書を持ち、片道210円の交通費を払い、面接に行った。

「少しこちらでお待ちください。」
僕の先輩になるであろうウエイターが水をだしてくれた。

ゴクッゴクッ
うっめぇ! 朝から何も食べてない僕の喉を冷たい感触が流れていった。

――水がこんなに美味しいなんてフーテンになるまで気づかなかった。

僕は、坊さんが何故ゆえに断食をするのか理解できそうな気がしていた。

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