《MUMEI》

「ところで、これからは誰が林檎を補充するんだ…?」


リュークは、子供の機嫌を逆撫でするような疑問を投げかけた。



労働の対価の源泉であったスネオ亡き今、今後の報酬を心配するのはリュークからすれば当たり前のことなのだが――…



…子供は火に油を注ぐような問いかけに、ただ目尻をピクピクと痙攣させるだけだった…。



『…ちょっと待ってろ…

…後で腹一杯食わせてやる…』



子供は、その場しのぎの言葉で取り繕うと、徐に上着のポケットから、折り畳まれた“布切れ”のようなものを取り出す…。


そして、それを広げた…。



「何度見ても不思議な袋だな――…?」


リュークが子供の手元を覗き込むように見ている…。

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