《MUMEI》 ◇◆◇ 「神夜」 「‥?」 「名前を考えなくてはだね」 「名前‥?」 姫君が問い返すと、若君が頷いた。 竹千代が言ったのは、赤児につける名の事らしい。 「名前‥」 神夜は暫し考えたが、特にこれといった名が思い付かない。 第一、子が男子(おのこ)か女子(おなご)かも分からぬのだ。 何より、身ごもるかどうかさえ定かではないのだから。 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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