《MUMEI》 復習テスト二学期二日目は、誰もが嫌がる復習テストが待っていた。 (…さて、どうするかな?) 俺は、答案を見つめて、考えていた。 答えはわかっている。 問題は… 普通は、平均点が下がるこのテストで、普通じゃない点数をとっていいか、…だ。 国語は、相変わらず平均以下になりそうだから問題無い。 数学が得意なのは、もう周りに知られているから、全力を出しても問題無い。 今は、英語のテストの時間だった。 俺は、夏休み最終日の三人の言葉を思い出していた。 『これだけ宿題完璧にやってれば、復習テストも余裕だな』 そう、守は言っていた。 『普通にやれば、できるわよ』 そう、津田さんも言っていた。 『どうかな。意外とテストはできなかったりして』 (う〜ん) 拓磨の言葉が俺を迷わせた。 実力を出せば、英語はもしかしたら満点かもしれない。 (でもなあ…) いきなり成績が上がれば、不自然だし、普通じゃない。 (よし、…決めた!) 俺は、中間テストよりも、空欄を一つ減らす事にした。 少しずつ成績が上がるのは、不自然ではないだろうと思った。 前へ |次へ |
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