《MUMEI》
LHR(ロングホームルーム)
テストの翌日から、いよいよ学校は文化祭色に染まっていく。


「じゃあ、文化祭のクラスの出し物を決めるわよ。
一年生は、飲食店は出来ないし、うちは運動部が多くて、夏休み準備出来なかったから、今から間に合う物、出してね!」


学級委員の津田さんが言うと、すぐに取り巻きと拓磨が手を挙げた。


バザー

ダーツ

縁日(ヨーヨー釣り・輪投げ・手作りお面)

カラオケ

古本屋




「う〜ん、どれも、ありきたりね〜」


津田さんは、副委員が黒板に書き出した項目を見つめた。


「どうせなら、うちのクラスしかないものやりたいわよね」


(うちのクラスしか無いもの…?)


「祐也、何か無い?」

「え !?」


突然指名され、俺は必死で考えた。


(うちの、クラス…合宿で、周りの皆が言ってたのは…)


『クイーンのクラスよね』

「クイーンのクラス…」


俺の呟きに、津田さんはキョトンとした。


「津田さんは物じゃないぞ」


拓磨がすぐに抗議した。


「いや…面白い」


そう言ったのは、陰の薄い副委員だった。


彼はゲームが大好きだった。

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