《MUMEI》

授業が終わった。


休み時間、恭介が僕の所へ。


「新聞見たみたいだな。」


「うん。」


「納得いかね〜な。」


「ね。何で僕の写真載ってないんだろ?」


「いや!!違うだろ!!


俺だろ!!」


「え〜!?僕の背面シュートを載せるべきでしょ!?」


「バカ!!その前の俺のナイスセーブだよ!!」


「キーパーなんか絵にならないよ!!やっぱ僕の背面シュートが…」


「あんなもん載せられたらハンドボールが誤解されんだろ!!」


「なんで!?あの場面で僕の背面シュートがデカいって!!」


「いや!!俺が…!!」


「はいはい。どっちも凄かったからケンカしないの。」


クラスメートが止めに入る。


僕たちはこれでじゃれてんだけどな。


「この人カッコいいから載せたんじゃない?」


「いや!!カッコ良さで選んだんなら僕が…!!」


「俺だろ!!」


結局のとこ…


決勝点を決めたのはヤマだからな…


まぁ…


しょうがないっちゃしょうがないか…


「つかさクロ?」


「ん?」


「今日も赤高の練習行くんだろ?」


「もちろん!!」


「俺も行っていいか?」


「うん。いいよ!!


でも珍しいね。


頼んでもいないのに恭介が赤高の練習来てくれるなんて。」


「…なんかさ、


まだ熱が冷めてないっていうか…


冷めて欲しくないっていうか…


上手く言えね〜けど…」


「…なんかわかるよ。それ。」


学校が終わって、


赤高に向かった。


僕もまだ…


気持ちが高揚している…


たぶん僕と恭介だけじゃなく…


きっと翔太とヤマも同じなんじゃないかな…

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