《MUMEI》 敗北者は嘶く空が、青い。 僕は負けたのか? まさか、氷室様自らの手で明石を助けるだなんて。 「……何故、何故氷室様はこんなチンクシャが良いのですかーーーー?! 僕はずっと氷室様を見ておりましたのに! 氷室様の為に身も心も空けておりましたのに! こんなにお慕いしていますのに、何故僕じゃいけないのですかあぁぁ!」 今までの怒りやら嫉妬やらが噴き出した。 嗚呼、涙で前が見えない。 「……顔を上げろ渡部、お前は一つ重大な間違いを冒している。」 氷室様は倒れていた僕を見下ろしている。 「……はい。」 氷室様は逆光で眩しい。 「――――――今までのは放置プレイだったのだ!!」 …………そうだったのですか! 氷室様の逆光が後光に見えた。 「氷室様、僕、一生付いて行きます!!」 前へ |次へ |
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