《MUMEI》
敗北者は嘶く
空が、青い。

僕は負けたのか?
まさか、氷室様自らの手で明石を助けるだなんて。


「……何故、何故氷室様はこんなチンクシャが良いのですかーーーー?!

僕はずっと氷室様を見ておりましたのに!
氷室様の為に身も心も空けておりましたのに!
こんなにお慕いしていますのに、何故僕じゃいけないのですかあぁぁ!」

今までの怒りやら嫉妬やらが噴き出した。
嗚呼、涙で前が見えない。

「……顔を上げろ渡部、お前は一つ重大な間違いを冒している。」

氷室様は倒れていた僕を見下ろしている。

「……はい。」

氷室様は逆光で眩しい。




「――――――今までのは放置プレイだったのだ!!」


…………そうだったのですか!

氷室様の逆光が後光に見えた。

「氷室様、僕、一生付いて行きます!!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫