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《MUMEI》 「あのねあのねっ、マーくんとさくらちゃんはねサマーラウプでね、おりぇは兄ちゃんと兄ちゃんのこゆびとの人にイイ子イイ子してもらいなしゃいってね〜……」 「マーくんとさくらちゃん？」 「親父とお袋だ、それでどうした」 話を聞くとこの”くるみ”と言う子は女の子ではなく克哉さんの所の末の弟で、見た所年齢は幼稚園児ぐらいだった。 このチビちゃんの話だと”パパとママは夏期休暇で出かけるのでお兄ちゃんと僕に面倒を見てもらえと言われてココに置いてかれたんだ”だとか。 小さい子供の話なのでなかなか要領を得ないけど、まとめてみるとこんなカンジだった。 「で、親父達はいつ出てったんだ？」 「これ（アニメ）見てたらおりぇにチュッチュ〜♪してきてぇ〜いい子にしゅるんだよぉ〜ってゆってぇ…いい子でこりぇずっと見てたら〜兄ちゃ達が来たの！」 「三十分以内か…狙ってやったな」 僕はよく状況を把握出来ないけど、つまりは克哉さんのご両親が夏の休暇だから、長男の克哉さんに小さい子を預けて行った、という事なのかな。 「それでねっ！あのねっ…おてまみなの！」 そう言ってくるみちゃんはクリームでベトベトの手でテーブルに置いてあった手紙を持ってくると、その手紙を克哉さんに渡してきた。 克哉さんはその手紙を受け取ると、しばらく目を通した後がっくりとうなだれてしまっていた。 「どうしたんですか？」 僕はキッチンでハンカチを濡らしてくると、その子の手や口の周りを拭いてあげた。 その小さな子はにっこり微笑みながら僕に近づいてくると、両頬にチュッチュッと可愛いキスをしてくれた。 「ふふっ///ありがとうね♪」 「えへへ///ナインダンケ♪」 「部屋がひとつ、子供部屋になってる…だと」 前へ |次へ |
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