《MUMEI》
電話
夏海は、自分を失い、
クリスマスも正月も
何もなかった

ただ、眠ることで
日を送っていた。

誕生日には
奴から電話がきた。

「わたし、このままじゃだめよね」

ふいに出た言葉。

布団の中で、手を差し出し、何かを探していた。
探せる自分がいた

前に進むとはこうゆうこと。
前にすすめなきゃ
命を絶やせばいい

それじゃぁ、だめ。

夏海は宙にういた手を見つめ、自分と向かい合っていた

冬休みも終わり、現実に高校生活が待っている

奴の言葉や別れようの意味を考えた

まだまだ私たちには人生が長い。
たった、一度目の恋。

「あいしてる、なんて、言わないで、それは、将来大事な人に言って・・・」

受話器をおいた。

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