《MUMEI》
ボスキャラ
翌日、土曜日は、十時から一般公開になる。


俺達の教室は、既に、必要最低限の椅子と机のみの部屋になっていた。


一応、黒板の前のクイーンの椅子は、それらしい布が被せてあり、


そこに、一人だけ


父親の経営するショップで購入したというパーティー用のワインレッドのドレスと


メイクとネイルもばっちりな津田さんが座った。


その近くにいるのは、いつもなら、取り巻きなのだが…


今回は、モンスターの中でもボスキャラとされた四人が両脇を固めた。


「よろしくね、祐也」


…そして、何故か俺もそのボスキャラの一人になっていた。


「俺もいますよ!」


ロングシュートが得意でキック力のある拓磨も、ボスキャラの一人だった。


ちなみに、ボスキャラは、レベルが四段階に分かれている。


レベル1 暗算が早い女子


レベル2 拓磨


レベル3 カードゲームが強い女子


「祐也は、最強のレベル4 ラスボスなんだから、一番頼りにしてるからね」


「ボスキャラは、くじ引きですから」


お客…勇者が、引いたくじのレベルに合わせたボスキャラが登場する仕組みだから、俺が出る確率は四分の一だった。

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