《MUMEI》 「村木!!位置取りが悪い!!」 「はい!!」 必死になった時だけ声が出るみたいだな。 村木… 同じキーパーとして… 俺もまだまだ未熟だけど… こいつは教えがいがある。 こんな気持ちは初めてだ。 「タイミングをずらしたシュートに惑わされるな。 クイックだろうが溜めだろうが関係ない。 お前の反射速度ならクイックでも十分対応できる。 焦りで自分のリズムを崩すな。」 「はい!!」 「バシッ!!」 「そうだ!!一番大事なのはシュートを防ぐこと!! 体勢が崩れてもゴールを死守しろ!!」 「はい!!」 …キツいよな村木。 皆がシュートを決める。 得点を決める。 キーパーはそれに参加できない。 お前… それで悩んだことないか? 俺は… 俺は今でもそれを悔しく思うぜ…? けどな? これだけは言える。 キーパーは決して孤独じゃない。 フィールダーは皆わかってる。 キーパーの仕事は点を取ることじゃない。 相手のシュートを止めること。 ゴールを守ること。 今のチームに一度でもお前を否定したヤツがいたか? いないだろ? 村木… 俺たちは俺たちの仕事をやろうぜ。 前へ |次へ |
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