《MUMEI》

「ダメだ違う!!」


「はい!!」


「…まずは基本的なシュートからだな。」


「はい!!」


「今はディフェンスもキーパーもいない状況だけど、


だからって妥協すんなよ?


ちゃんとコース狙え。」


「はい!!」


椎名のシュートはどうも下に集まりがちだな。


「いいか?下ばっかじゃ読まれる。」


「え?」


「気付かないのか?


シュートが下に集まりがちなんだよ。」


「…でも、俺、身長低いですし…」


「じゃあ諦めるか?」


「…いえ、教えてください。」


それでいい。


勝ちに拘るお前が、


妥協するなんて許さね〜よ?


「もっと手首を使うんだ。


やってみ。」


「はい。」


椎名のステップシュート。


「ガンッ!!」


キーパーもディフェンスもいないのに、


シュートを外した。


けど、それが正解。


今はシュートを身に付ける練習。


シュートを入れる練習じゃない。


もし今シュートを入れる為だけに甘いコースに打ってたら、


ぶっ殺してたぜ?


…さっき俺の成績バカにしたことも含めてな。


「ガンッ!!」


「だぁ〜!!入んね〜!!」

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