《MUMEI》

(可愛い〜///こんな可愛い子と仲良くなれて良かった…)

ところで、子供部屋がこんなにきっちりあるって事は…。

この可愛い男の子…くるみちゃんもココに住む、って事なんだよね…。


くるみちゃんと手を繋いで家主の所に戻ると、ジャケットを脱いでソファーに座って子供用のカップでワインを飲んでいた。

「昼間っからお酒ですか?」
「…コレか?」
「あぁ〜っ!おりぇの〜ぉぉ!」

どうやら中身はさっきまでくるみちゃんが飲んでいた葡萄ジュースで、くるみちゃんはそれとクリームチーズを食べていたようだった。

「へぇ〜ワインとチーズみたい、くるみちゃんはおしゃれだねぇ♪」
「アイスボクス(冷蔵庫)の中にまーくん(パパ)がいっぱい入れてくれたの、あきらしゃんもどうでしゅか?」
「いっぱいあるの?えへへ、お誘いありがと♪」
「えへへ〜///」

くるみちゃんのほっぺをプニプニしたりして遊んでいると、克哉さんが急に思い出したように口を開いた。

「…あぁ…買い出しに行かなくては」

日本にしばらく滞在する前にフランス出張があったので、部屋を開けている期間が長くなってしまうため冷蔵庫の中身は全て処分してコンセントを抜いて完全な空っぽにしてきたと言っていた。

その電源を落として来たはずの冷蔵庫の中を見てみると、すでに電源が入っていて、さっきくるみちゃんが言っていたように子供の絵が描かれたチーズや色んなお菓子やジュースがきっちり用意されていた。


克哉さんの黒い車、もちろん日本でもよく見る青と白のマークが付いたドイツの高級車に乗ると、そこにもすでに不似合いなくらいのくるみちゃん用のチャイルドシートが後部座席にちゃんと設置してあった。

克哉さんのご両親はどこまで用意がいいんだろう…。

何か色々仕組まれてるカンジがした…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫