《MUMEI》 勇者殺到しかし…そんな事を言っている余裕はすぐに無くなった。 教室内には、四人の勇者がそれぞれ戦っていた。 更に教室入口から廊下には、順番待ちの勇者達が長蛇の列を作っていた。 当初は、勇者は一人ずつ教室に入る予定だったが、そのあまりの数の多さに、四人まで受け入れる事にしたのだ。 おかげで、モンスターは大忙しだった。 とりわけ、交代の無いボスキャラは、ひたすら一般モンスター達の活躍に期待するしか無かった。 クイーン津田さんのご褒美 男には頬にキス・女にはオススメコスメプレゼント を目指して、勇者もかなり必死で戦ってくる。 約半数の勇者がボスキャラまで辿り着くので、俺達四人も思ったより出番が多かった。 「こいつで最後か!楽勝だな」 「よろしくお願いします」 俺は、本日三人目の対戦相手に頭を下げた。 一分後。 俺がセットしたタイマーが鳴り響く。 「はい、残念!」 廊下で順番待ちの勇者達が、敗れた勇者に声をかけた。 「お疲れさまでした」 俺は、勇者に参加賞の飴を一つ手渡した。 「くそぅ…何でだ」 後で聞いた話だが、その元勇者は、他校の空手部主将だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |