《MUMEI》
最後の勇者
「すごいわ、祐也」

「…どうも」


午後に入って、俺は更に四人の勇者を倒した。


レベル1が二回・拓磨が一回・レベル3が一回敗れたので、現時点で無敗のボスキャラは俺だけだった。


(さすがに疲れたなぁ…)


俺だけで無く、津田さんを除いたクラス全員がそう思い始めていた。


明日は、演劇部の発表があるので、俺達は担任に事情を説明し、全員が、演劇部の裏方を手伝うという条件で、クラスの出し物は行わない事になっていた。


だから、俺達は今日の一般公開終了時刻ギリギリまで、勇者を受け入れていた。

そして、いよいよ最後の勇者の番になった


…の、だが


(何で、葛西先輩が!?)


俺は、受付にいる葛西先輩を見て驚いた。


「…手強いな」


拓磨が言うように、空手部の葛西先輩は、俺達にとっては強敵だが、俺は未だに葛西先輩が勇者とは信じられ無かった。


「あ、俺、勇者じゃないから」


そんな俺に、葛西先輩はあっさり告げた。


「俺は、かわりに順番取ってただけ。本当の最後の勇者は、あ、…来た!」


葛西先輩が見つめる先にいたのは、葛西先輩の恋人の

祐…だった。

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