《MUMEI》
人質救出
三人の前方、奥の扉が開いた。


ピアとジャンニが、目隠しされ拳銃を突き付けられ、連れられて来た。


「ピア、ジャンニ。」

「その声は…カイト!何故、来たの。」


「今、助けるから…、ごめん、僕のせいで。」


「ふん、涙の再会かね。カイト少年、ゆっくり歩いて来るんだ。彼、妙な事をすれば、人質の命はないぞ!」


「相変わらずだな、黒の院長。うんざりだな。」
彼は、そう呟くと〜ラビに目配せした。


ラビは、コクリと頷き、フワリと羽を拡げてカイトを包んだ。


彼は、ユラリと消え、瞬時の内に、ピアとジャンニの周りの敵を、衝撃波で倒した。


「くっ、何?何をした。お前、死に損ないが…力が強くなって…?まさか…。」


彼は、金色の瞳を、モニターへ向けた。


「なんだ?その金色の目は…?」


その時、施設内に、警報音が鳴り響いた。


ビイビイビィ……!!

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