《MUMEI》
再会
彼は、1つの扉の前に立った。


「…?」
不思議な感覚…ここにノラがいる、直感だった。


不意に、頭に流れ込んでくる声は…ノラ!?

「ノラ?やはりこの扉の向こうにいる。」


『コナイデ…オネガイ、キテハダメ…。コノママカエッテ…。』


「の…ら…?何故?やっと会えるんだよ。僕は君に、逢いたかった。」


彼は、扉を壊して、中へ入った。


『……』「……」
無言で、見詰め合う彼とノラ。


「やあ、ノラ。分かるよ、君だね。逢いたかった。」
彼は、昔と同じように、フワリと優しく笑いかけた。


目の前の コンピューターに 繋がれた、小さなガラスケースに入る、ノラの脳に…。


『ミラレタクナカッタノニ…』


「バカだな…どんな姿でも、君は君だよ。愛してるよ、ノラ。僕だって、こんな姿だ(笑)変わらないさ。」

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