《MUMEI》
黒猫と月
貴方は月みたいな人だった。私はそんな貴方を見つめる黒猫なの。
孤独に光る月と、孤独に見上げる黒猫。
似ていないようで、似ていたんだね、私達。



最初に会話を交したのは、出会いと別れの季節の春だった。でも、当時は高2だったから、別れというのはクラス替えくらいで。どちらかと言えば、出会いの方が多かった。始業式の日に話しかけてきたのが一番はじめ。

「席、隣だな。よろしく、相沢さん。」

「…よろしく…、っと、」

「立川鳴海!鳴海でいいから。」

その時、私は彼が何で自分の名前を知っているのか不思議だった。
てゆーか、彼の存在自体が不思議だった。
比較的、目立つ存在だった私は学年のほとんどの生徒と一回は喋っていたが、彼の事は名前すら知らなかった。

「今年編入したから、俺の事は知らなくて当然だよ。担任の先生が紹介してくれたけど、聴いてなかった?」


「…ゴメン、寝てた。」

「やっぱり。前からばっちり見えたもん。しかも爆睡。あはは」

「眠たかったから、仕方ないじゃん。いろいろと忙しいんだよ。」

私は大きな欠伸をして、机に伏せた。

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