《MUMEI》

「由々壬…。どうしたんだよ…。」


すると由々壬は、俺の服を少し捲り首筋に噛もうとした瞬間、ぴたりと動かなくなったんだ。


「由々壬…?」


「お、お兄…ちゃん…。」


由々壬は片言で俺を呼んだんだ。


「なんだ由々壬。」


俺は由々壬の頬に手を触れた瞬間、涙を流し言ったんだ。


「ダイ…ス…キ…ダヨ…。」


その次の瞬間、由々壬は自らの爪で自分の首に指し何回も掻いたんだ。

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