《MUMEI》 「え??じゃあ椎名くん、何で染めてるの??」 困惑したような顔でおれに言ってくる蓬田。 「…へ??」 「だって、怒られるんでしょ?…でも椎名くん」 「ちょ、おれ染めてねえよ!?」 おれが慌てて蓬田の言葉を遮る。 「…え??」 キョトンとする蓬田。 「…髪、それ生まれつき」 おれが説明すると、 「…そうなんだ!!」 蓬田は、嬉しそうに言うと、少しばつの悪そうな顔をした。 「ごめん、染めてると思ってた。 あんまり綺麗な茶色だから―… …実は話すようになるまで、ちょっと、不良だと思ってた」 …蓬田の言葉に、ちょっとショックを受ける。 ―…不良だと思われてたのか… 「でも、ほんと…綺麗―…」 上目遣いで『おれ』の髪を見つめながら、蓬田が呟いた。 前へ |次へ |
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