《MUMEI》

「え??じゃあ椎名くん、何で染めてるの??」



困惑したような顔でおれに言ってくる蓬田。



「…へ??」


「だって、怒られるんでしょ?…でも椎名くん」


「ちょ、おれ染めてねえよ!?」



おれが慌てて蓬田の言葉を遮る。



「…え??」



キョトンとする蓬田。



「…髪、それ生まれつき」



おれが説明すると、



「…そうなんだ!!」



蓬田は、嬉しそうに言うと、少しばつの悪そうな顔をした。



「ごめん、染めてると思ってた。
あんまり綺麗な茶色だから―…
…実は話すようになるまで、ちょっと、不良だと思ってた」



…蓬田の言葉に、ちょっとショックを受ける。


―…不良だと思われてたのか…



「でも、ほんと…綺麗―…」



上目遣いで『おれ』の髪を見つめながら、蓬田が呟いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫