《MUMEI》

「なにするんだよぉぉ!」
久しぶりに聞くサトルの怒鳴り声。

「あんた何してんのよ!
私を外泊させて、あんたは何してたのよ!!!!」

――――――鬼だ。。
私は今、鬼になっている。
「勘違いだってば!!ったくもう、里奈は。」

「嘘つき…嘘つき…嘘つき嘘つき嘘つき!!!」

「日本にいた時の先輩だってば。こっちに旅行にきたんだってばぁ。でさ、相談あるからって、向こうから会いたいって。」

―――馬鹿にしないでよ。―――泊めることないじゃん。
―――私を外泊までさせて。
気づいたら、夜のメイン
通りをヨタヨタと歩いていた。

振り返り…振り返り…

しかし私の望む人影は見えない。

一台の黒いセダンが右斜め後方に停まった。

いや、、徐行運転しながら後をつけてきている……

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