《MUMEI》
OH! ノーまゆげ
カフェのバイトは合格している。
100%確信していた。

明日から、あの女店長の下で働くのだ。

今日は僕のバンドの久しぶりのライブだ。
ライヴハウスに着くなり、ハイテンションに上り始めた。

リハーサルでこんなにテンション上がるのは、そうはない。

僕は天才だ〜!
僕は…僕は…爆発だ〜!!
剃りたくなった。
バイトも決まったことだしそろそろ剃ってもかまわない。

トイレの手洗い場で、まゆげを全剃りした。

このまゆ毛はキノコ頭を引き立てる。

観客はこの怖い顔を見たいだろう。
だけど、前髪はマブタにまでかかるキノコな僕。そうは簡単には見せられない。

頭を振り乱しスティックを振り回す。
チラ見せの効果は客たちの悲鳴と熱気で役割を果たしたことを確信した。

…!…!…!…?
帰りの電車の中でようやく気づいた。
携帯に着信履歴は……………ない、、、

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