《MUMEI》 レベル3「卑怯だぞ!黙ってるなんて」 俺と葛西先輩の会話を聞いていた副委員は激怒していた。 「別に隠してないよ。空手やってる奴らの間では、俺、有名人だし。 ただ… たまたま、このクラスに空手経験者がいなかっただけだろ?」 「…もういい! 次だ!」 副委員は机を一つ、椅子を二つ運んできた。 「よろしくお願いします」 レベル3の、トランプを持った女子が頭を下げて先に座った。 「よろしく。何やるの?」 祐も、女子の向かい側に座った。 「スピードで」 「…苦手なんだよな〜」 初めて祐が弱気な発言をした。 「ボスキャラの決定は絶対だ!」 副委員が嬉しそうに叫んだ。 「確かに祐は、仲村家で一番スピード弱いらしいけど…」 津田さんが、不安げに呟いた。 「仲村家のスピードのレベルって… 普通なの?」 ーと。 数分後。 (…対戦自体は、数秒後だったような気がする) 「やった〜!、初勝利!!」 圧倒的速さでスピードに勝利した祐が、ガッツポーズをした。 津田さんの不安通り、仲村家のスピードは、普通ではなく、『高速』スピードだったのだ。 前へ |次へ |
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