《MUMEI》
ラスボス 祐也
「こ、こうなったらぁ! 行け! 無敗の最強モンスター、ラスボス田中!」


(何か、やな紹介だな)


副委員のノリについていけない俺は、無言で祐の正面に立った。


「普通、祭りはもっとテンション上げて参加するもんだぞ、祐也」

「あんたの普通は信用しない」


俺は、小声で祐に告げた。

「田中!絶対ハチマキ取られるなよ!」

「…頑張ります」


俺は、前髪の上からきつくハチマキを結んだ。


「どうせ、明日には見せるのに」

「始まりますよ」


俺は、副委員に合図を送った。


「よし!始め!」


(…っと)


副委員の言葉と同時に祐の手が伸びてきた。


(さすがに早いな)


俺は、祐の動きを紙一重でかわしていた。


(視界、悪いしな)


前髪のせいで、俺は実力を発揮できないでいた。


「おりゃ!」

「!?」


手ばかり使っていた祐が、足払いを試みた。


俺は、とっさに飛んで祐の足をかわした。


「あ、ぶね〜な!」

「こっちは何でもありなんだろ?」


(う…)


俺が禁止したのは、武器使用と急所攻撃だけだった。

「しかも、そっちはいろいろ不利だし」


祐のスピードが上がった。

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