《MUMEI》 「比呂!!顔あげなさい!!」 「はぁ…はぁ…、はい!!」 西条高校。 ようやくできたハンド部で参戦した市民体。 スポーツの世界はやはり甘くなく、 当然のように一回戦で負けてしまった。 顧問星野は、 赤高との練習試合の際クロに言われた、 『速攻を行うこと。』 について深く受け止め、 体力、スピード強化の練習を行っていた。 そして西条高校エース45立川比呂は、 中学時代には大会で初戦敗退など経験したことがなく、 今までに味わったことのない屈辱を覚えていた。 (ある程度は予想してたけどな… こんなに悔しいとは思わなかった… 卒業まであと2年… あと何回大会があるんだろう? …もうあんな思いは味わいたくね〜んだ…) 西条高校2年 立川比呂。 2年生にしてキャプテンの彼が… 一度辞めてしまったハンドボールに、 本気で火がついたのは… たった1つの敗北からだった。 「ラスト10本!!」 「はぁ…はぁ…、はい!!」 前へ |次へ |
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