貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
違和感
肝試しとはいうものの、舞台は学校。用務のおっさん以外は誰もおらず、物音をたてていく猫や鳥などもいない。ただ夜中の学校にいるという背徳感はあっても恐怖は全くない。だから一時間が過ぎれば僕たちが飽きるのは当然だった。
「なぁロスト、これじゃ肝試しになんねぇよ。なんかいいとこないのかよ」
「いいじゃん、もう帰ろうよぅ」
「なんだ?びびってんのか?」
「どこが?今までも全然怖くなかったじゃん」
「だから今から探すんだよ」
もう真夜中だというのにギャーギャーと二人が騒いでる中、僕はこの口喧嘩をどうやって止めようかではなく、さっきなぜ一瞬彼等のことを忘れていたのだろうかということを考えていた。ただの勘なのだが、どうも寝惚けていた以上の何かがありそうな気がしてならなかったのだ。

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