《MUMEI》
改造終了
(何か…元に戻った感じだな)


改造終了後、鏡に映った俺の顔は、旦那様がいた頃


ひたすら、外見に気を遣って、毎日鏡でチェックした頃の、懐かしい顔と髪型だった。


どうやら、俺にはこういう前髪が少し短めな、サラサラショートカットが一番似合うらしい。


「ここ最近で、一番の自信作ですよ!素材が抜群だから、髪型はあえてシンプルにしましたけどね」


「「可愛い!」」


津田さん母子は大満足だった。


「じゃあ、もったいないけど、お願い」


貴子さんがそう言うと、店長の指示で、従業員がウィッグを持ってきた。


店長が、そのウィッグを俺に被せ、髪型を整える。


「本番までのお楽しみだからね」


改造前と同じ髪型になった俺の肩を、津田さんが軽く叩いた。


「祐希さんも、明日見に来るから、今日はこのまま過ごしてね」


津田さんの言葉に、俺は頷いた。


そして、俺はアパートまで貴子さんに送ってもらった。


自転車だとウィッグが外れる可能性があるから、俺は明日は徒歩で学校に行く…

はず、だった。

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